理系彼女と文系彼氏(旧)

球技大会。

女子バスケットボール。

菜穂がキャプテンを務める一年理系クラスは順調に勝ち進んでいた。

「次、相手どこのチーム?」

汗を拭きながら菜穂が尋ねてくる。

爽やかー。

「二年理系クラス。藤堂先輩のとこの女子チームだね」

うえ、と嫌そうな顔。

「マジ?蓮のとことかやりづらい。てか、何で理系同士でバトらなきゃなんないのさ」

「トーナメントなんだから。藤堂先輩の浮気候補倒すって心持ちで頑張れ」

この大会は総合優勝と文理のどちらが勝つかで分かれている。

どうせなら、総合優勝は一年理系がもらってその上文系に勝てるのがベスト。

「ま、優勝欲しいし頑張る。あと、蓮は浮気なんてしないよー?あたしがこんなに可愛いんだから」

ひらひらと手を振ってコートに戻る。

その後ろ姿は自信に溢れていた。

さて、優勝を狙うとは言ったものの誰がここまでいくと予想したのだろうか?

「これも監督の手腕?」

「やめて。こんな成果は要らない」

次の試合は決勝。

相手は文系三年。

つまり、一年のくせして二年も倒しちゃったわけで。

監督に責任はありません。

選手の頑張りです。

理系三年からのプレッシャーが物凄いことになってるし。

まあ、なるよね。

きっと先輩達は最後は理系三年VS文系三年の対決で締めるつもりだったんだろうし。

相手がビックリしちゃってるもん。