【土方】



「うるせぇ!さっさと吐けっつってんだろ!」



俺は今、源に拷問している。



総司を殺そうとしたからな。


しかも得たいの知れねぇ鉄の塊持ってたしな。



コイツは絶対ぇ長州の間者だ。



んで、俺が拳を振り上げたその時。



「止めなさい。」


今までの高い声とは裏腹の、低い声が聞こえた。


驚きで、俺等は目を見開いた。



だって、源が低い声で喋ったんだぜ?



「君達はこの子に何をしている。」



何だ!?


やけに他人行儀じゃねーか。



「はぁ!?源、てめェふざけるな。根絶やしにすんぞ!?」



「私の名前は源凉では無い。源頼朝だ。」



はぁ!?


源頼朝…って、あの頼朝様か!?


「はぁ?馬鹿なこと言うんじゃねぇよ。」



そこまで言うと、平助が口を開いた。


「いや…凛も未来から来たんだ…、この位の事なら有り得るかも…。」




そ…そんな…。


「こんなにまで苦しめて…。背が高くて男っぽい所もあるが凉は女なんだぞ!加減しないか!



俺はあの頼朝様に叱り飛ばされた…。


死ョック…



「この子は私が訳あってこの時代に連れてきた。それに…」


(この時代…?)


少し気になったが
れは置いといて。


「君達は、自分達に都合の良い事ばかりするんだね。」


!?


「どこがですか?」


総司が挑発するような声で聞く。


「そうだね…。君だよ沖田。最初に『先に死んだ方が負け』って言ったのは君なのに、凉に殺されかけたら拷問する。」


そう言うと、総司がぴきっと固まる。


図星だな…



「君達は、それでも武士なのかい?」


ニヤリと挑発するような目でそう言われた。



「言っておくが、凉は自分の時代ではとても楽しそうに生きていた。君達よりも正直だったよ。

凉の方が君達りよもよっぽど偉いと思うがね
。」