は?


「お前…さっき何したんだ……?」

前を見ると黒髪の女は泣いていて、横を見ると土方が固まっていた。



「なぁ…何したんだって聞いてんだろ…」



私はこの黒髪女と喧嘩したことも、ましてや会ったことも無い。



「だって…だってトシさまの顔に傷なんてつけられないんだもの…」



腫れた左頬は触ると少しだけチクリとする。



「どう言うことだ?」



私は聞く。


でも、黒髪女は泣きながら首を降るだけで何も答えない。



多分こうだろう。



女たらしの土方が一晩相手して、それに自惚れた女が土方に裏切られたと言って叩きたいが土方の顔に傷なんてつけられないから私を代わりに叩いた、と。



すると、さっきとはうって変わって明るい表情をした女が私に、



「でももう吹っ切れたから。じゃあ。」



ツンツンした言い方で台詞を吐き捨て去っていく。



は?


“ごめんなさい”とか“すみません”とか言う
謝罪の言葉も無いのか…?




ガッ