甘いキスと蜜の味【本編完結】


勿論、付き合う事は

甘い事ばかりじゃなかった。

先生は隣県に住んでいるし

難関の進学校の教師であり

忙しい職業柄

担任や副顧問や模試や補講など

A学院時代より忙しくなったとかで

すれ違う時間が多い事や

ゆっくり会える時間が少ない事や

堂々と街を2人で歩けない事や

りっちゃんや友人に

堂々と話せない事や

3年生だから考えなければいけない

進路の事、将来の事など

悩む日々が続いたりした。

例え隣県にいても、A学院の子と

どこで会うかわからない。

マンションへ行くにも

注意を払っている。

禁断の扉を開けたからには我慢も必要。

昨年に比べれば

今の方がいいに決まってる。

贅沢だとわかってる。

だから、あと数ヶ月間は

息を潜めていないといけない事くらい

何とでもないはずなのに


先生より遥かにコドモな

18歳の私のココロには

いっぱいいっぱい過ぎて

いつの間にか

どうしたらいいのか

わからなくなったりもした。


つい、天城先生に八つ当たりして

たまたま凄く疲れていた先生と

一時険悪な状態になった。

折角会えたのに辛くて

飛び出して帰りそうになったけど

腕を掴まれて、ギュッと抱き締められ

「…ごめんな。」

と、先生の切なげな謝罪の後

「…我慢せずに何でも相談してくれ。
俺は教師だから相談にのれるし
光華の恋人だから
もっと色々と分かち合いたいんだ。
…それに…俺は変わらずに
お前を愛してるから…。
…だから、あと数ヶ月だけ
お互い頑張ろう。
そして、光華はA学院を卒業したら
ここに引っ越して来い。
…俺とここで一緒に暮らそう。」

そう言って、先生は

私にプチプロポーズとも言える

愛の言葉をくれた。