甘いキスと蜜の味【本編完結】


天城先生は事情を説明して

私の母親に頭を下げて

私との交際を認めて欲しいと

お願いしてくれた。

頭をあげて欲しいと頼む母親の前で

先生は何度も深々と頭を下げた。

あの厳しくて怖かった先生が

私の為に必死に交際を許して欲しいと

お願いしてくれている。

私の瞳から涙が溢れた。

母親は賛成してくれた。

付き合う約束までは

話していなかったけど

先生を好きな事を

私は話していたし

県外に異動するから

学校では会わないと理解したし

数日前まで

私の元担任と言う事もあって

私の事をちゃんと

わかってくれている人だから…と。

ただし、あと1年あるから

卒業の妨げにならないように

節度だけは…と母親なりの願いを

先生に伝えていた。

それを聞いた天城先生の

『絶対にお約束します。』

との力強い言葉に

私はさらに涙腺が緩んだ。



その後、母親は気を利かせてくれて

私は自室に先生を招き入れた。

久しぶりに真近で向き合った私達。

『…改めて…光華が好きだ。
俺と付き合って欲しい。』

と、欲しかった愛の言葉と

スーツのポケットから

『…遅くなったけど
新しいマンションの鍵だから
なくすなよ。
それと、ちゃんと母親に言ってから
来るんだぞ?』

と、欲しかった先生の

新しい自宅マンションの合鍵をくれた。

私は鍵をギュッと握って

「…待ってた…欲しかった。」

と、嬉し涙を溢した。

天城先生は私の涙を拭いながら

『…俺も待ってた。ありがとうな。
まだ俺達は完全に世間に許されては
いないから、あと1年だけお前には
我慢を強いるかもしれないけど
ちゃんと守るから。」

と、触れるだけながらも

優しいキスをくれた。