甘いキスと蜜の味【本編完結】


順番が近づくにつれて

ドキドキする私の鼓動。

あのキス以来

会っていなかったから当然

天城先生に触れた事はない。


そして、りっちゃんの次に

私は先生の前に立った。

先生…。

言いたい事はいくつもあったけど

こんな所では言えないから

私は他の子と同じように

「…ありがとうございました。
天城先生、さようなら。」

と手を差し出すと

先生は教室ではあまり見せない

あの時の数学準備室と同じぐらいの

優しい微笑みで

「…ああ、花村も頑張れよ!」

と言って先生も握り返してくれた。


本当は、さよならじゃないからね。

先生、わかってるよね?

これは違うからね。

私…待ってたよ。

“待ってろ”の言葉を

ちゃんと覚えてるよ。



もっと触れたかったけど

まだ後ろには握手を求めて

列が出来ている。

名残惜しく手を離すしかなくて

私はまた不安の中で

先生から手を離して

背を向けると

待っていてくれたりっちゃんと

教室を出た。

先生からは何も呼び止められなかった。

当然と言えば当然だけど

本当に私達は恋人になれるのかな?




そんな想いの中で

私はその日

2年生を終える事が出来た。



そして天城先生は

A学院高校を退職した。