甘いキスと蜜の味【本編完結】

天城先生にそこまで想われていた?

E大付属で教鞭を取る事を願う

恩師の学長さんのお願いを

断り続けてまで、私の事を?

私の成長を見届けていきたいと

思っていてくれていた?

先生の事を

特別感情では見ていなかったのに?

坂上先輩と付き合っていた

会っていたこの私を?

先生はなおも話を続けた。

「…それでも、恩師からは
『来年こそは来てくれ。』と
言われて、これ以上は断るのも
何だか心苦しいし、俺も疲れた。
だけど…お前の卒業まではとも思った。
…その時に坂上と山田の噂を
一部の生徒が話しているのを聞いて
お前に内緒で会っていた2人を
偶然街で見かけたんだ。
雰囲気からして怪しいと思ったし
同時にお前の顔が浮かんだよ。
こんな現場を見たら
絶対辛いだろうって…。
真実を誰かから聞かされた時
傷ついて泣くんじゃないかって…。」

「……先生。」

「…優しくて、真面目で母親孝行で
家計を助ける為にアルバイトもして
だけど、ちゃんと成績は維持している。
…そんなお前の悲しむ顔を
見たくなくて、笑っていて欲しくて。
…だけど、俺は教師だし担任だ。
公私混同は出来ないし
そこまで、考えてしまう自分が
いやらしくて恥ずかしくて…。
…でも、俺が助けてやりたい。
俺が救ってやりたい。
でも、どうすればいいのか…。
…悩み悩んで、恩師の所へ行って
正直に自分の想いを話してきた。
花村…お前を好きな事も
俺は正直に打ち明けたよ。」