甘いキスと蜜の味【本編完結】

学長である恩師から

そんなにアプローチされてたなんて

やっぱり天城先生は凄いんだ…。

尊敬で声も出せない私に

先生は話を続けた。

「…恩師はがっかりして
事情は理解してくれたけど
『諦めない。』って言って
その後も度々連絡が来た。
…2年目を無事に終える頃に
E大付属へ…。と思っていたが
『やっぱりA学院にもう少しいたい。』
と、気持ちが変わった。」

えっ!?

「……ど、どうしてですか?」

首を傾げた私に先生は

撫でていた手を止めると

「…お前は……わからないのか?
俺が、花村光華を…。
お前を好きになったからだよ。」

と、もう一度私を抱き寄せた。

先生の胸に顔がくっつき

心臓の音がドクンドクンと聞こえた。

「…わ、私?」

さらなる先生の告白に

私の顔が赤らみ

思考が止まりそうだった。

先生は私を抱き寄せたまま

「…お前を好きになってしまって
でも、俺はもう社会人であり
大切な生徒を預かる身であるから
傷つけてはいけないとわかっていた。
想いを伝えられないのも当たり前。
苦しかったけど
お前が真面目で熱心で
母親孝行なのも知っていたから
せめて…成長していく姿を
担任として、数学担当として
見届けていきたいと思う事で
この気持ちを抑えて、恩師にも
『待って欲しい。』と頼んだ。
…だから、今年も
お前のクラス担任になれた時は
公私混同承知で嬉しかったよ。」

そう言って先生は

もう一度私の頭を撫でた。