甘いキスと蜜の味【本編完結】


「……何だ?花村、その声は?」

顔を見上げると

天城先生は怪訝そうな顔をして

私を見つめた。

「…だって…。教師はやめない?
じゃあ、教師は続けるって事で
いいんですか?
でも、じゃあ、どこか違う学校にでも
異動されるんですか?
どこなんですか?」

先生のシャツを掴んだまま

切羽詰まったように質問する私に

“チュッ”

先生が額にキスを落とした。

……えっ!?今のって…。

唖然となった私に

先生は口角を上げると

「…落ち着け、花村。
気持ちは嬉しいが
そんなに切羽詰まらなくてもいい。
お前だけには言っといてやるよ。
だから…聞いてくれるか?」

そう言って、私の頭を

軽くポンポンとした。

私はさっきの額へのキスに

まだ唖然となりながらも

コクンと頷いた。

すると、先生は私の頭を撫でながら

「…教師の仕事は勿論続けるが
勤務する高校が変わるって事だ。
…俺は、来年4月からは
隣県にある、俺の母校でもある
E大付属高校で教鞭を取る。
今住んでいるアパートも
3月には引き払って
隣県のマンションに引っ越す。
…これは、もう決定事項なんだ。」

と、言って私の目を見て説明した。