甘いキスと蜜の味【本編完結】

「…軽蔑なんて…しません。
私…何でだろう?
さっき、私…。
失恋したばかりなのに。
私はずっと、坂上先輩が好きで
先輩と付き合っていたのに…。」

ああ…私ってば何言ってるんだろう。

私は、こんなに軽い女じゃないのに。

さっきまで私は

坂上先輩と仲直りをしようと

思っていたのに。

なぜか、私の口から出る言葉が

止まらなくなっていた。

「…どうしてなのかわからない。
自分でも…わかりません。
こんな事言ったら…おかしいのに
私…私…どうしてだろう。
失恋したばかりなのに…。
私は…失恋の痛みよりも
天城先生が来年辞めちゃう事の方が
胸が引き裂かれたように…辛い。」

そう言い切った私の目から

涙が零れ落ちた。

すると、そんな私を見た天城先生は

「…嬉しいよ…花村。」

そう言ってもう一度私を抱き締めた。

「…先生、でも…私は…。」

本当は軽い女じゃないの。

でも、どうしてだろう?

こんな気持ちになるなんて…。

そう言いたくても涙が止まらない。

先生は私の頭を撫でながら

「…安心しろ。
おかしいなんて思わない。
お前の気持ち…俺は嬉しいよ。
…お前は軽い女じゃない。
好きになるのに時間は関係ない。」

私は頷きながらも

「…うん。
でも、先生…辞めちゃうんでしょ?」

と、さっき先生に言われた

辞めるの意味が気になって

そっと聞いてみた。

「…ああ、その話だな。
俺は来年このA学院高は辞めるけど
教師を辞めるワケじゃないぞ?」

クスクス笑う先生に

「…へっ!?」

私の口からマヌケな声が出た。