先生の話はこうだった。
坂上先輩と絵里先輩は
8月に入ってから内緒で会っていた。
ちょうど私と坂上先輩が
ギクシャクし始めた頃からだった。
写真のように
2人は街でデートをしたり
全学年の補習講義がない日を狙い
普段から使われていない
空き教室で会っていたりしていたのを
天城先生は目撃していたとの事だった。
「…花村と坂上が
ギクシャクしているのも
その教室を通りがかった時に
坂上が話していたのを
コッソリと聞かせて貰った。
クッキーの話は
山田が坂上に話していた。
お前は山田を慕っていたみたいだが
相談した内容は
恐らく全て坂上に筒抜けだ。
…しかも、山田はとんでもない奴だ。
多分あいつも
坂上が好きだったんだろう。
わざとお前の事で根も葉もない事を
坂上に吹き込んでいたのも聞いた。
…志望校や受験対策が
上手くいかずに苛立っていた
坂上の弱味の隙間に
山田が上手く入り込んだ事で
坂上もそれを
鵜呑みにしたんだろうな。」
天城先生は切なげな顔を向けると
「…あいつらはああ言う奴らだ。
純粋に坂上を想いながらも
母親を助ける意味で
家の事をしながらアルバイトもして
それでも頑張って
成績をあげている花村の事情や
気持ちを知っていながら
それを踏みにじっていた。
…花村、お前には酷な話だが
坂上も山田とも縁を切った方がいい。」
そう言って私の近くまで来ると
優しく頭を撫でた。
