甘いキスと蜜の味【本編完結】

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「美味いな。このクッキー。」

「…先生が入れて下さった紅茶も
いい甘さで美味しい…。」

「…だろ?
でも、本当に美味いよ。
このクッキー。」

と、褒められた私は恥ずかしさに

「….…ありがとうございます。」

と、少し俯いて紅茶を啜った。



あれから

天城先生の前でひと息泣いて

先生のハンカチで何度も涙を拭かれ

何とか落ち着いた私は

ある決心が芽生えて

傍に置いていた自分の鞄から

携帯を取り出して開いた。

「…天城先生、立ち会って下さい。」

そう言った私は

わざと先生に見えるように

文章を綴った。


《…坂上先輩、私と別れて下さい。
今までありがとうございました。
私は浮気はやっぱり許せないです。
絵理先輩とお幸せに!! 光華》

送信した後

色んな思い出がよみがえって

また涙が溢れたけど

「…花村、良く頑張ったな。」

と、天城先生の優しい声に

涙ながらに

「.…はい。」

と、精いっぱいの返事をした私は

鞄からハニークッキーの入った

ラッピング袋を取り出し

「…美味しいかわかりませんけど。」

と、天城先生に差し出した。

生徒からの差し入れを

一切受け取らないはずの天城先生が

「…こう言うの欲しかった。」

と、私に嬉しそうな顔をした。

今日は意外な天城先生を見てしまい

さっき失恋したばかりなのに

なぜか、わからないけど

凄く胸がドキドキした。