甘いキスと蜜の味【本編完結】


そんな震える私の頭を

「…『いい物』だと
言ったのは悪かった。
ただ、花村…お前には見せて
現実を知って欲しかったんだ。
だから、日直を利用して
数学の宿題を利用して
お前をここに呼び出したんだ。」

天城先生の腕が伸びて

私の頭をそっと撫でた。

いつもと違う先生の様子に

私は少しドキッしながらも

「…集配係に頼まなかったのは
私を呼び出す為に…ですか?」

と、顔を見上げて聞くと

「…ああ、そうだ。
他の奴らから聞くよりは
まだマシだろ?
それに、お前も坂上と
最近上手くいってなかったんだろ?
だから、今日この後
直接教室に押しかけて
手作りのお菓子でも
渡そうとしてたんだろ?違うか?」

「……なっ……!?」

なぜ知ってるの?

しかも、そんな事細かく。

確かに最近私は

先輩の受験の事や

私のバイトや家庭の事を含めて

坂上先輩とギクシャクしていた。

夏休みなのに、会える回数が

他の高校生カップルよりは少ない事。

先輩が希望している大学のレベルと

成績があともう一歩届かない事に

先輩は焦って苛立っている事。

私は母子家庭で

学費の高い私立なのに

母親が無理に行かせてくれた。

だから、助けになるように

バイトもしながら

ご飯等家の事も手伝っている事。

様々な事が積み重なり

先輩がキレてしまったのが

ギクシャクの原因だった。