逆走チルドレン

「井村くんに好きなひとーっ!?」
「こ、声大きいって」
慌てて親友の口を塞ぐ。
黒髪ショートのお姉さんキャラである伊緒。(いお)
「だから、さっさと告れって言ったのに!」
「それが出来たら苦労してないよ!」
言い合う私達を見守る、エコと羽衣ちゃん。
正確にはエコはあわあわとしてて、羽衣ちゃんは楽しそうに見ている。仲良し4人組です。
「まさか、応援するだなんて言ってないよね?」
顔が怖いです、伊緒さん。
「う、うん?」
目を逸らす私を見て伊緒は溜息。
「ったく、この子は……。いい?愛花はさ、」
「愛花ちゃん。」
お説教をし始める伊緒の声を遮って、エコが微笑む。
「愛花ちゃんは、ほんとにそれでいいの?」
普段はおっとりしているエコだけど、こういう時は強い。優しい声だけど、なんだか痛いところを突くように染み渡る。




『あのさ、大賀。』
『なんだよ』
『佐々木さんのこと好きなの?』
『うっ……。実は、ひと月前から気になっててさ。』
『そうなんだ……』
『えっと、愛花。応援してくれるよな?』
『……』
『……?』
『……うん。いいよ』




「うん。いいんだ。」
大賀が幸せになるのなら、なんだってする。
君のこと見ていられるだけで満足だから。
「好きな人の幸せは、私の幸せだもん。」
胸は痛むけど。
「だから、いいの。」
そういって笑みを見せると、親友たちは心配そうにしていたが何も言わなかった。