きっかけは忘れたけど、ずっと片思いのままだ。兄妹みたいな関係を生まれた時から続けてる。告白したらこの関係が壊れてしまいそうで怖い。もはや呪いでしかない距離。でもいいんだ。君のこと見ていられるなら。片思いでいい。
そう、思ってた。
なのに。
「あ………。」
登校中、そんな声を大賀があげた。不思議に思って、大賀が見ている先に視線を合わせる。



隣のクラスの女の子。



確か、名前は佐々木さんだっけ?
文学少女な雰囲気を持つ可愛らしい子。
「た、大賀?」
隣を見ると、大賀が顔を真っ赤に染めていて。
「あのさ、大賀」
気がつくと声をかけていた。