逆走チルドレン

「先輩、タオルどうぞ。」
練習を終えて、私はヒロ先輩にタオルを差し出す。
「ああ、ありがとう。」
にっこり笑う先輩。
あ、えくぼ。
「なんか、前にもこんなことなかったっけ?」
先輩が首をかしげて私をみる。
「そうですね、私が演劇部に入る前に……」
「あ。確か、俺が転んで……」
「よく覚えてますね。」
「どうゆう意味だよ。」
ペシっと小突かられる。うわっ。
「そのまんまの意味ですよー」
横を向くと、先輩はウーっと唸った。
「じゃあ、エコは覚えてんだな?」
「はい。」
「ふーん?」
「あ、信用してませんね?えっと、雨の日でした。」
私は深呼吸して、話し出す。
緊張するな……。