「望美、望美だよな?」
「え?」
声をかけられ、振り向くとそこには私の幼馴染の慶太がいる。
「け、慶太⁉」
よりによって慶太にこんなところ見られるなんて…
お母さんにバレるかも。
「誰?」
私に問いかける大村。
「あっ、知らないよね。他校で倉沢男子学院ってとこ行ってるの。あの、ちょっとだけ待ってて。」
私は繋いでる手を振りほどき、急いで慶太のところまで行く。
「この事ぜーったい誰にも言わないでね!特にお母さんは駄目だから!」
ここはちゃんと口止めしとかないと。
私は慶太に耳打ちする。
「はいはい。」
だるそうに返事をする慶太。
「本当にわかってる⁉」
「わかってるよ。てかいいの?」
「何が?」
「後ろ」
慶太は私の後ろを指差す。
振り向くと不機嫌そうなな顔した大村が立っている。


