潤平が東京へ行って2年が過ぎた頃、潤平が芸能事務所にスカウトされた噂を聞いた。



まぁ、潤平ならあり得るかもと、他人事のように思っていた。




潤平が芸能人にでもなったら、益々遠い人になってしまう。



嘘であってほしいと思いながら、残業続きで疲れたし、今日の夕食はお弁当にしようとコンビニに寄った。



いつもなら、絶対お弁当を買ったりしないのに。



コンビニに入ると、一冊の週刊誌が目にとまる。



期待の大物新人、風間潤平。



週刊誌を手に取り、中のをめくると、潤平の写真が大きく載っていた。



秋のドラマの主役に決定!



ドラマの主題歌を歌う風間潤平。



潤平がギターも弾けて、歌も歌えるだなんて知らなかった。



そう、私は潤平の事を何も知ろうとしなかったのだ。



知る事が怖かった。



潤平の全てを知ったら、きっと別れなくなる。



潤平を忘れられなくなる。



だから、必死に知りたくない振りをした。





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