肉まんを食べ終えてしまった。



どう、返事をしようか迷ってると、潤平は父に少し似た笑顔で言った。



「焦らなくていいから、先ずは友達から始めようよ。」



その言葉がすんなり、私の中に入って来た。



私には友達はいない。



クラスにも仲の良い子もいないのだ。



クラスのほとんどは大学へ進学する。



私は銀行への就職を希望していた。



父も銀行員なのだ。



だから、なんとなくだけど、小さい頃から銀行で働きたいと思っていた。



父さんは、学費ぐらいなんとかなるから、大学へ進学しろと言うけど、近くに大学はない。



父さんと離れて暮らすなんて無理だ。



父さんは再婚もせずに私を育ててくれた。



だから、父さんに寂しい思いはさせたくない。





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