これ以上、純弥さんの返事を伸ばす事は出来ない。




約束のクリスマスまで、後一週間。




今日は純弥さんと、10年前に潤平と来た遊園地にいた。




今日、あの観覧車に乗って、純弥さんにプロポーズの返事をしようと思う。




ごめんね。




潤平の約束は守れそうもない。




決めたよ。




あの日と同じ観覧車に乗って、純弥さんと向き合った。



その時、観覧車が音を立てて止まる。



え、何、事故。



純弥さんに抱き締められた。



「樺音、僕がついてるからね。大丈夫だよ。」



ありがとう。



純弥さん。



純弥さんにプロポーズの返事をしようとすると、観覧車が動き出した。



その時、私の目にある文字が見えた。



観覧車の中にマジックで、書かれていた。



【ずっと愛してる、又会おう】



バカだ。



なんで、観覧車の中何かに書くのよ。



誰が、誰に書いたのかも分からないのに。



でも、私には分かった。



あの時、潤平も同じ気持ちだった事が。



純弥さんに謝った。



観覧車の中に書かれていた文字を見て、泣き出してしまった私に純弥さんは、全てを感じとったらしい。



風間潤平に会った時、樺音と付き合ってると言ったら、あいつ急に態度変えたからね。



二人の間には絶対何かあると思ったよ。




風間潤平には敵わないと、純弥さんが笑った。




ごめんなさい。




純弥さん。




今までありがとう。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆