「おはようございまーす……。」


ガラ…と開けて中を覗くと、まだ誰も来ていなかった。


なんだ、また一番か……。


重たいまぶたをこすりながら、自分の席に着く。


ダメだ…眠たすぎる。
まだ早いし…。
ちょっとだけなら寝てもいいよね……



音楽プレイヤーを出してイヤホンを耳にはめ、私はつかのまの眠りについた。



どれくらい眠っていただろう。急に声が聞こえてきた。



「おはよーッす!」
「おー、おはよー」
「おはよ!」



誰だろ……朝から元気だなぁ…。


少しモゾモゾしてから、うっすらと目を開けてみる。



「ん…。」
「あ、起きた…?」
「え……」


声のした方に顔を向けた。

そこには人懐っこい笑顔でこっちを見る男の子。


「美崎、おはよ!」
「あ……九ノ瀬君……おはよう…。」



……可愛いなぁ…。



下を向くふりをして、私はニヤける顔をおさえつけた。


気持ち悪いなぁ、何でこんなに顔がゆるむんだろ。


……………でも。



今日はいいことありそうだな…





澄みきった空を見上げて、私は根拠もないのになんとなくそう思った。