「五龍とは龍の種類だよ。黄龍、白龍、青龍、赤龍(せきりゅう)、黒龍。これをまとめて五龍って呼ぶんだ」
「じゃあ、五龍の長ってことは…千早様はとっても偉い龍神様なんですか?」
「そうなるね。何百匹といる龍神の……いわゆるボスだよ」
ボスか。
ボス龍だね。
あの怖い口調はボス龍モードの千早様ってことかな。
「というか…そんなに偉い龍神様だったんですか!?見えませんよ?」
「ははっ、でもイブキと接していた時の私はどうだった?ボスっぽかったろう?」
う…。確かに。
怖かったし……凄みもあった。
今の柔和な雰囲気はどっかにいってたね。
「まあ、私のことはどうでもいいんだよ。それより…」
不意に千早様の声が低くなった。



