一月一日、お正月。
都心に住む私は今年も電車を乗り継いで、いとこの家へ遊びに来た。
「こんにちは~!お邪魔しま~す」
「あら~、清華(さやか)ちゃん。いらっしゃい」
玄関で叔母さんに挨拶していると、私のいとこ、龍矢(りゅうや)くんが廊下を歩いてやって来た。
「こんにちは、龍矢くん」
「……今年も来たか」
「こら、龍矢!清華ちゃんにちゃんと挨拶しなさい」
そんな叔母さんの声を無視して、龍矢くんはマフラーを首に巻き付け靴を履く。
そして、私を横目でちらっと見た。
「今から初詣でに行くけど……来るか?」
「行く!私もまだだったから」
「だと思った」
龍矢くんがニヤリと笑う。
こうして私達は叔母さんに見送られ、二人で初詣でへ行くことになった。