上へ上へ。
ひたすら上へ。
かと思いきや、気がつけば私は転生山(てんしょうざん)の周りを旋回しながら天を目指していた。
この巨大な山、確か頂上は天の国にあるんだっけ…。
千早様が言ってたよね。
天の国か…。
どんなとこなんだろう。
私がイメージする天国は、なんかふわふわしてて、お花畑があって…。
「沙織ぃいー!!!!」
……あれ?
今、名前を呼ばれたような…?
「沙織!!!!独りでなど、逝かせはしないっ!!!」
下を向けば伊吹様がいた。
その更に下には…。
「沙織ぃいー!!!!」
千早様がいた。
だ、ダメですよ二人とも!
ここ、転生山なんだよ!?
私について来たら登りきって転生しちゃうよ…!
特に千早様は挑まないって約束したよね!?



