そっか。
魂だけの私が、こうしてまだ自分でいられるのは朧様の祝福のおかげだったんだ。
納得していると朧様が徐に提案してきた。
「お嬢さん、逝かれる前に千早様とお会いしませんか?」
「会っても…虚しいだけなんです。千早様は私のこと……見えないから」
背中を抱いても応えてくれなかったことを思い出して、胸がキュッと締め付けられたように苦しくなる。
でも、そんな私に朧様は言った。
「見えるようにして差し上げますよ。僕が」
え…?
そんなことが…。
「できるんですか…!?」
「はい。せっかく自我が残っているのですから、お会いしたいでしょう?」
もちろん。
もう一度、千早様や伊吹様と話したい。
会って、「ごめんなさい」って伝えたい。
勝手に二人から離れて、死んじゃって……つくづく自分が情けない。
だから、これが二人に会える最後のチャンスだというなら――。
謝りたいの。
二人に…。
「お願いします、朧様。会わせて下さい…」
私の答えを聞いて朧様は頼もしく微笑んだ。
「そうこなくては。では行きましょう」
その笑顔が伊吹様に似ていて、また私の胸がキュッと締め付けられた。



