「そうです。僕は銀龍の朧(おぼろ)。覚えていて下さったようで、嬉しいです」
朧様はニコリと笑った。
「今宵も月が美しいですね。こんな日はお散歩がもってこいです。お嬢さんもお散歩ですか?」
「私は……って、あれ?朧様、私のこと見えるんですか?」
「はい。見えますが」
え?ええ!?
なんで!?
千早様も伊吹様もシトリ様でさえ見えてなかったのに!
「今のお嬢さんは、幽体ですね」
「……はい。たぶん」
「僕ら銀龍は他の龍神よりも霊に近い存在なんです」
ゆっくり近寄ってくると、朧様は私の手を取った。
「ですから、死んだ貴女の魂とこうして接することができます」
「死んだ貴女」か…。
わかってるけど、ハッキリ言われるとキツイな…。



