「千早様ぁ…伊吹様ぁ……おばあちゃん……みん、な…」
泣きながら、私は月明かりを目指して飛んだ。
もう辺りはすっかり真っ暗で、なぜかその闇に恐怖を抱いてしまったから。
「……きれい」
見上げれば、丸い月。
月明かりは優しくて、見ていると少し落ち着く。
「はぁ……」
ゆっくり深呼吸をして、涙を手で拭った時だった。
「こんばんは、お嬢さん」
不意に声をかけられた。
「え!?誰!?」
慌てて周りを見回すも、何も見えない。
「空耳……じゃないよね?」
不審に思っていると…。
「僕ですよ。覚えていらっしゃいますか?」
突如、月明かりにスーッと浮かび上がった銀の髪。
「あっ、あなたは…銀龍!」
伊吹様とそっくりの容姿だから印象に残ってる。



