「ハァ……」


澪様が盛大な溜息をついた。

窓から見える美しい景色に視線を移し、ポツリと呟く。


「恋心とは…厄介なものですね…。されど……」



――愛おしい…



澪様がこぼした独り言こそ本音だと信じたい。

だって、その時の澪様はとても優しく微笑んでいたから。



「ところで、聞きそびれていましたが、貴女は何をしにここへ来たのですか?」


え、えーと…。


「き、気持ちの整理を…しに…」


「気持ちの整理?」


ここで私は開き直って澪様に泣きついた。


「澪様!助けて下さい!実は……」


そして私は、千早様と伊吹様と自分の関係を簡単に説明した。


「こういう場合、私はどうすればいいんですか?二人とも好きなんです!同じくらい、大切なんです…」