滑稽?笑う?
「笑うなんて、そんな…!」
もし澪様が本当に恋をしてるなら、恋愛相談とかしてみたいなあ、とは思ったけどバカにするつもりは全くない。
「ですが、愚かしいでしょう?千早様には人間を慕うなと言っておきながら、己は…」
静かに、けれど熱く語る澪様はとても苦しげな表情で俯いた。
「……確かに私は悠斗を想っています。しかし、この想いを告げるつもりはありません。貴女と千早様のような関係になることも、望みません…」
「澪様…」
悠斗さんとの特別な関係は望まないって言ってるけど、本心じゃないような気がする。
今にも泣きそうな顔で吐き出された言葉を本心だと思えなんて、無理があるよ。
もしかしたら、澪様が私と千早様のことを激しく反対していた本当の理由は、これだったのかな?
自分を戒めて恋心を抑え込んでいる澪様。
一方で、千早様は堂々と人間と一緒になるって宣言した。
一種の「嫉妬」なのかもしれない。



