このセリフが室内に響いた瞬間、澪様の様子が急変した。


「ななななにを言っているのだ悠斗っ!」


え?

澪様が、上擦ってる?


よく見たら、澪様の顔は真っ赤。


「あれ?照れてるんですか澪様?可愛いな~」


悠斗さんが何の悪意もなく追い討ちをかけた。


「悠斗ぉ~!!」


耳まで真っ赤にしながら悠斗さんをキッと睨みつける澪様。

なんだろう…。

全然怖くない。


むしろ恥じらってプリプリ怒る澪様が可愛く見える。


「ミオさまもユウちゃんダイスキだよね~」


不意にえりちゃんがニコニコしながら言った。


「え?そうなの?俺、初耳かも」


驚いた悠斗さんが目をパチクリさせる。


「まえ、えりたちにコッソリおしえてくれたよ~!ユウちゃんのことスキって」


「違っ!私は…!悠斗のことなど……べつに…」


頬を染めて、えりちゃんの言葉を必死に否定する澪様。

なぜかその表情は、とても苦しそうだった。


この反応…。

もしかして澪様は……悠斗さんに恋してるんじゃ…。


そう気づいた時、澪様は使い終わった台布巾をテーブルに置いて食堂から出て行くところだった。


どうなのかな…?

チャンスがあったら聞いてみたいな…。