「ちっ」
軽い舌打ちが聞こえた。
シトリ様かと思えば、その後ろにいた青い長髪の龍神様だった。
この方がミズグモ様?
雰囲気が澪様に似てる。
ピリピリしたオーラとか、ツンとした表情とか。
「ふん…!」
私と目が合うとミズグモ様は鼻を鳴らしてスタスタと部屋から出て行った。
「シトリ様、今の方は…?」
「ああ、あれはミズグモといってな。私の愚息だ。私が青龍の長に澪を選んだのが納得いかないらしく、己を長にしろとうるさい」
「そんな…」
そんな龍神様が近くにいて澪様は大丈夫なのかな?
ライバル視されてるってことは、いつ蹴り落とされてもおかしくないんじゃ…。
「奴のことは気にするな。我らの問題だ」
シトリ様に心配無用と言われ、小さく頷いた時だった。
「翔太~!見つかったか~?」



