明らかに翔太くんじゃない。
龍神様かな?
「ハッ、しつこいわミズグモ!貴様が長を継げなかったのは貴様の力量が澪に劣っているからだ。それは今とて同じ」
シトリ様の声も聞こえた。
ミズグモっていう龍神様と話しているみたい。
「しかし、澪は…」
「たわけがっ!澪の欠点を探す暇があるなら精進せんか!長の座につきたくば己を磨け」
な、なんだろう…。
物凄い剣幕でバトルってますが……大丈夫かな?
ハラハラして聞き耳を立てていたら、パタパタと駆けてくる足音が聞こえた。
「るり~まり~えり~!!」
「あ!ショウちゃんがきた」
シトリ様達がいるのに堂々と室内に入ってきた翔太くん。
ある意味すごい。
勇者というか、怖いもの知らずというか。
「なんだ、ガキ。遊ぶなら他に行け」
覗き見たらシトリ様がシッシと手を振って追い出そうとしてるところだった。
けど、そんなシトリ様をスルーして翔太くんは押し入れへ近づく。



