「さおりおねえちゃん、こっちこっち!」
ピンクのカチューシャが似合うるりちゃんが私の服をクイクイと引っ張った。
「下にいこう?いつものあそこにかくれようよ!」
先頭になってパタパタ駆けて行くえりちゃん。
走る度に揺れるポニーテールがなんとも……うん。可愛い。
「一階のどこに隠れるの?」
エスカレーターで下りてから玄関ホールまでやって来た。
「このへやだよ」
三つ子ちゃん達の中では一番おっとりした雰囲気のまりちゃんが「この部屋」と指をさしてくれた。
なんとそこは…。
「シトリ様の部屋…?」
中に入ると大きな掛け軸に「倭文」の文字。
うん。私がご飯食べたシトリ様の部屋だ。
………三つ子ちゃん達、「いつものあそこ」とか言ってなかった?
いつもここで遊んでるのかな?



