なおも迷っている龍神様達からこんな会話が聞こえてきた。
「どうするんだ?澪様に従うべきか?」
「しかし、シトリ様が保護した者を追い出すというのも…」
次第にザワザワとしてくる広間。
「静まれ!!私の命に従いなさい!」
何度も澪様が命令するも、一向に止むことがないざわめき。
見兼ねたのか、シトリ様が軽く溜息をついた。
そして――。
「静まれっ――!!!!!!!!!!!!!!!!」
まさに鶴の一声だった。
シトリ様の大声で広間が静まり返った。
のみならず、私を取り囲んでいた龍神様全員が床に額(ぬか)ずいた。
澪様以外…。
「私の言葉は澪よりも重い。良いな」
「はっ!!!!」
額ずいたまま返事をする龍神様達に、シトリ様はにんまりと笑んだ。
「父上っ…!」
悔しそうに吐き出される澪様の声。
ん…?
今、父上って言った?



