風景に圧倒されていたら、いつの間にか城の入口まで来ていた。
シトリ様が私を地面に降ろしてから巨大な扉を開ける。
まず目に入ったのは広い玄関ホールだった。
城のてっぺんまで吹き抜けになっている一階の広間。
各階の廊下が吹き抜けのせいで丸見えだから、何階まであるのか上を見上げて数えてみた。
一、二、三、四…。
その時だった。
五階からこっちを見下ろす誰かと目が合った。
「あ!シトリ様だ!」
元気のいい声が辺りに響く。
これを皮切りに次々と声が聞こえてきた。
「何!?シトリ様!?」
「シトリ様がお帰りになったぞ!」
「皆、出迎えじゃ!」
「整列!!」
あっという間だった。
玄関ホールに多くの人達が集まってきて、左右に列を作り、ひざまずいた。



