「……行ったか」
閉められた襖を確認してから伊吹様は着物を拾い上げ、自分の着付けを始めた。
布団の中でこっそりと覗き見る伊吹様のお着替え。
ドキドキする――。
伊吹様って、本当に綺麗。
染み一つない白い肌。
程よくついてる筋肉に、引き締まったお腹。
着物を着てると中性的に見えるけど、抱かれて…肌を知って…やっぱり男性なんだって感じた。
「何を見ている」
「っ!?」
気づかれた!
背中を向けていた伊吹様が横目でこっちを見てる。
「あっ…その…ごめんなさい!」
見惚れてましたなんて、恥ずかしくて言えない!
袴を穿き終えて私に向き直ると、伊吹様は直球にこう言った。
「着付けてやる。身体を貸せ」



