「沙織!迎えにき――」
そこまで言って石像よろしく固まってしまった千早様。
あれ?どうしたの…?
「ほう、これは面白い」
千早様の後ろからシトリ様が顔を覗かせた。
ニヤニヤしながらこっちを見てる。
何が面白――あ…そういえば私、裸…。
「ひゃあ!?」
慌てて掛け布団をたくし上げた。
「伊吹、貴様ぁっ!!」
うあぁ……千早様がキレかかってる…!
どうしよう、この状況!
「黙れ。沙織の着付けをする。出て行け」
熱くなってる千早様とは違って、伊吹様は相変わらず冷静だ。
布団の中で私を抱きしめ千早様を睨みつけてる。
「伊吹!沙織に何をしたんだ!!」
「落ち着けガキが。ひとまず出るぞ」
シトリ様が千早様の首根っこをむんずと掴んだ。
そのまま引っ張られて退場を余儀なくされる千早様。



