嗚呼……伊吹様。
謝らないで…。
私なんかに負い目を感じないで。
私は、もう大丈夫。
それに――。
「伊吹様は、ちゃんと私のことを見つけてくれたんですね…」
私の最期の願いだった。
あなたに、見つけて欲しかったの。
「それだけで、充分です。ありがとうございます…」
精一杯、微笑みかける。
すると伊吹様はギュッと抱きしめてくれた。
もう決して放さない。
そんな思いが伝わってくるよう…。
「私が死んでから…どうなったんですか?村は…?長雨はおさまったんですか?」
「ああ。あの後すぐ、自然に雲は流れた。川も氾濫せずに済んだが……何度あの村を消し去ろうと思ったことかっ!お前を殺した人間どもめ!憎んでも憎み足りん!!」
まさか伊吹様が人間嫌いなのって…原因は私…?



