「白龍様。私、この鱗が好きです」
「えっ?」
「だって、この鱗は白龍様の鱗でしょう?私と白龍様が繋がってる証しです。だから気持ち悪いなんて思いません」
大きく見開かれたまぶたの間で、翡翠の瞳が揺らめいた。
「好き…?この鱗が?」
「はい」
「………」
肯定したら固まったまま無言になってしまった。
「……白龍様?」
顔を覗き込むと、独り言のような声が落ちてきた。
「………初めてだ。そのようなことを、言われたのは…」
白龍様と視線が重なる。
「お前は、不思議だな」
壊れ物を扱うように、そっと両手で頬を包み込まれた。
「俺の知らなかった言葉を…思いをくれる……。なぜだ…」
なぜ…?
それは――。



