「え…なぜですか!?」
「級長津彦命(しなつひこのみこと)を探しにいく」
え?誰?
「彼ならば、病を癒せる。必ず」
「本当ですか!?その方はどこに!?」
「わからん。だから探しにいく。しかし三日で俺が見つけられなければ、諦めてくれ」
「どうして三日…?」
「三日以上はお前の身体がもたん」
そっか…。
三日間は会えないわけだから、三日の内に腕が鱗だらけになっちゃうもんね。
「それに、三日で見つけられなければ、それ以上の刻を費やしても探し出せる自信がない」
翡翠の瞳が申し訳なさそうに私を見つめた。
「わかりました。でも……信じてます。白龍様はその方を必ず探し出せるって」
「桜……」
白龍様は何か言葉にする代わりに、自分の唇を切って血の味の口づけをくれた。



