「何を考えている?黄龍のことか?」
「ち、違…」
違く…ないけど、何となく言い当てられたくなかった。
「何があったんだ…」
「だから、何も…」
「では何かされたか?奴はお前を好いている。無理矢理に純潔を奪われてはいないだろうな」
探るように瞳を覗き込まれて、私は視線を反らした。
奪われた…。
奪われたけど、無理矢理じゃない。
合意の上だし、私は千早様のこと好きだし、伊吹様に後ろめたいことなんてないのに……どうして目を合わせられないんだろう…。
彼に見つめられるのが、怖い。
「ん?どうした。まさか…奪われたのか?」
答える前にガシッと肩を掴まれた。
「えっ…あの……」
「どうなんだ、沙織っ」



