食事が終わってから、私は部屋に戻って布団を敷いた。
今夜、千早様が来れば良いけど…来なかったらここにお泊りなわけだし。
寝床は作っとかないと。
敷き終わり一段落ついたところで、廊下から声がかかった。
「沙織さーん!少しいいかしら?」
「はい!」
襖を開けると、廊下にさよ子さんがコップを持って立っていた。
「これ…」
私にコップを差し出すさよ子さん。
「これは?」
「ココアよ。伊吹様があなたにって」
「え?伊吹様が!?」
「作ったのは私なんだけど、ココアのもとを持ってきて“沙織にやってくれ”って言うから、作ってきちゃったわ」
伊吹様…私がココア好きだって言ったの覚えててくれたんだ…。
なんか、嬉しいな。



