「ごめんなさいね。私一人だから、ろくなおかずがなくて」
「いえ!気にしないで下さい」
さよ子さんが用意してくれたのはお皿いっぱいのシシャモだった。
「シシャモか。久しいな」
食堂に行って席についたら、なぜかシトリ様も隣に座ってきた。
「女、私と静寂には酒を持て」
「はい。ただいま」
至って当然のように命令するシトリ様。
さよ子さんもニコニコしながら素直に従ってる。
「さよ子、良い。いちいち奴の命を聞く必要はない。我が行こう」
「え?よろしいんですか?」
「ああ。お前は座って食べなさい」
静寂様の登場によりさよ子さんが解放された。
ようやく私の前に座って箸を持つ。
「はっ、過保護だな」
シトリ様が静寂様を見つめて皮肉げに笑った。



