じゃあ、シトリ様は今までずっと、無実なのにわざわざ憎まれ役になってたんだ…。
夕星おじいちゃんのために…。
「あいつはこちらの世界の何もかもを捨てる覚悟で転生山へ挑むと言ってきた。頑固者のあいつを止められないのはわかっていたから…私は約束をしたのだ」
シトリ様は私の鼻先にビシッと扇子を突き付けた。
「貴様の尻拭いは私がする。だから貴様は何が何でも転生山を登りきれ。おめおめ帰ってくることは絶対に赦さん!とな」
約束、というよりも、シトリ様が言うと命令に聞こえる…。
「あいつは頷きおった。だから私は全力で憎まれ役に徹したのだ。夕星が消えても不自然ではないように奴の肉を喰らい、骨をしゃぶり溶かし、跡形もなく消し去ったことにしてな」



