龍神様との恋愛事情!


新事実に私がポカンとしていると、シトリ様に扇子で頭を小突かれた。


「しっかりしろ。面白い顔だが、集中して私の話を最後まで聞け」


「あっ、はい」


「良いか。私はあいつに言ったのだ。貴様が誰と添い遂げようと知ったこっちゃない。だが、自分の救った人間を見捨てて人間に生まれ変わろうなど、責任放棄も良いところだ…とな」


人間を見捨てる?

龍化のことかな。

定期的に血を貰わないと龍化が進んで、最終的には暴れ龍になっちゃうんだよね。


「夕星には血を与えるべき人間が三人もいた。にも関わらず、奴は転生山を登ったのだ。好いた女のためにな」


シトリ様は扇子で自分の手の平をパシリとを叩いた。


「五龍の長が人間に対する責任を放棄した。そんな噂が立ってはまずい。そこで、私が殺したことにしたのだ」