「お茶を用意してきますね」


静寂様の横にいた女性が立ち上がった。


「さよ子、良い。ここにいなさい」


「そうですか?」


静寂様に止められて座り直すさよ子さん。

年齢は私のお母さんくらいかな?

おっとりした雰囲気の小柄な女性だ。

龍神様って感じはしない。

態度が控え目だし、何より洋服を着てる。

龍神様はみんな着物だから洋服を着てるってことは多分、私と同じ、人間だ。


「お前も一緒か」


静寂様がチラッと私を見てからシトリ様を睨んだ。


「どういうことだ?」


「夕星のガキへの、ちょっとした嫌がらせだ。付き合え」


嫌がらせ…。

そんな軽いものじゃなかったきがするけど…。


「あの…帰してくれませんか?千早様のところに」


無理を承知でシトリ様に聞いてみた。