「良いか千早。私は貴様の死を望まん。それに暴れ龍も増やしたくはない。わかるな」
「はい……」
「あの、シトリ様。暴れ龍って何ですか?」
何やら葛藤している千早様はそっとしておくことにして、私はシトリ様に質問してみた。
「暴れ龍とは、人間が龍化した成れの果てだ」
「龍、化…?え?それって、本当に人間が龍になったってこと…ですか?」
「その通り。龍化により完全に龍となった人間は、精神崩壊を起こし暴れ龍となる」
「精神崩壊!?」
「身体も魂も龍に近づいたが、やはり紛いものなのだ。人間の精神が龍化を受け入れずに発狂する。ゆえに、狂ったように年中暴れ回る“暴れ龍”となるのだ」
龍化が進むと、そんな恐ろしいことになるんだ…。
単に本物の龍になるだけじゃなかったんだね。



