まさか、千早様は後追い自殺なんてしないよ。
千早様はそんなに弱くない。
私が死んでもきっと、その事実をちゃんと受け入れてくれるはず。
私が「大丈夫ですよね」と千早様に言うため、隣を見た時だった。
「沙織が…死んだら…?考えると…恐ろしいね…」
全然大丈夫そうじゃない千早様の青い顔が視界に入った。
「え?千早様!?しませんよね?後追い自殺なんかしませんよね!?」
「……………」
な…なんなの!?この重たい沈黙は…!?
じょ、冗談ですよね!?
「ハッ…やはり、血は争えんか。来てみて正解だったな」
「千早様!玄葉様も言ってたじゃないですか。失う覚悟をって。その方が楽だからって」
そうだよ。玄葉様も人間を好きなって、自殺されちゃったから自分も人間に生まれ変わりたくて転生山に登って…けど…。



