「驚いたか、沙織よ」
シトリ様が私に声をかけた。
いきなりのことでビクッとしたけれど、私はハッキリ頷いた。
「毒龍とは種族ではない。毒に犯された龍のことだ。私はもともと青龍であり、その長であった」
長!?青龍の長だったの!?
「じゃあ…なんで毒龍に…?」
「人間のせいだよ」
私の疑問には千早様がいち早く答えてくれた。
「人間の、せい…?」
「そう。人間が川や海を汚染するから、汚染された地域を守護していた龍神が毒龍となってしまうんだ」
そんな…!
環境汚染が龍神様達にも影響してるなんて…!
「ご……ごめんな…さい」
驚きとショックで、私は謝罪の言葉を口にしていた。
「謝るな。別に貴様一人のせいではなかろうが。それに、毒龍になりたくなければ、その土地を見捨てれば良いだけのこと。それができなかった我ら龍神にも非はある」



