「くっ…そ」
シトリ様を睨みつけながら、まず私と千早様にお茶を出す。
「どうぞ!ごゆっくり!」
最後、シトリ様の前にやや乱暴に湯呑みを置くと若月様は広間から出ていった。
「全く、躾がなっとらんな。まず客である私に茶を出すものであろうが。あれの教育係は貴様か千早?」
「いや、父上だった」
「夕星め……大事な跡取りをテキトーに育てやがって」
さっきから、かなり偉そうなんだけど…実のところシトリ様って何者?
千早様のお父さんと仲良しだったから、こんなに態度が大きくても許されてるのかな?
目をつむってズズズとお茶を飲むシトリ様を観察していると、突然シトリ様の目が見開かれた。
「薄い!もっと渋い方が私の舌にあう」



